2018年4月13日(金)午後2時~アロンティアクラブにて「在宅生活者と介護者に向けてST(言語聴覚士)が提供できること」と題した勉強会が開催されました。
1部では、矢木脳神経外科病院 主任 西村紀子ST(言語聴覚士)から、STが専門としている言語障害(失語症・高次脳機能障害・構音障害・聴覚障害など)や、摂食嚥下障害のそれぞれの障害の内容と対応方法を、在宅ケアで知っておいてほしいポイントともにわかりやすく解説がありました。
STの一番の大切な仕事は、どのような障害がどの程度あるのか?何がわかって、何がわからないのかを明確に評価し、問題点とやるべき取り組みを家族や関係者、他職種に伝えることだといいます。特に慢性期の方は、複合した問題を抱えるケースが多く、全身管理は医師・看護師、廃用・麻痺についての評価や訓練はPT(理学療法士)、OT(作業療法士)。言語訓練はST。栄養管理については管理栄養士。口腔ケアは歯科衛生士、食事介助などは介護士、調理は家族やヘルパーといった他業種が多く携わることになります。そのため、それぞれの専門分野からのアプローチ方法が重要になってきます。
また、現在、急性期病院でSTとして従事している中で、もっと早く対応しておいてほしいと思う体験談として、口腔内環境や、食事の形態、工夫等の紹介がありました。口腔内環境が酷すぎる・・・この口で食べると健康にも影響する、食べ物の形態を変えると食事量が改善された、食べる力が弱っている方に、カロリーが1/3の量で取れる食事を食堂で作ってもらったケースなどなど。また、意外と見落とされがちな食事の前後(姿勢、食後のケア)の重要性も紹介されました。
2部では、河村課長より、平成30年度、質の変化を求められるという、介護報酬改定の概要と、今後のアロンティアクラブの取り組み、PT、OT、STの人数が多い当施設の強みを活かした訪問リハビリテーションや、現在も取り組んでいるサーキットトレーニングの映像も併せて紹介されました。
この日は、法人だけではなく、医療、介護に従事している約40名の方にご参加いただき、終了後も個別に質疑応答を行うなど、有意義な勉強会になりました。
西村STより・・・
当日、サンプルでお配りさせていただいたフードケア社のゼリー食の素「スベラカーゼ」は、添加するとゼリー状でなめらかなミキサー粥となります。矢木脳神経外科病院で使用、嚥下障害の方には安全でおいしいミキサー粥を摂取して頂いております。ご参考ください。詳細はこちら⇒